イタリア通信099:大詰めを迎えたセリエA
(05.2000)
スペイン旋風が吹き荒れる欧州戦線からは完全に蚊帳の外となってしまったイタリアだが、セリエAの方は、あと2試合を残したこの時点でも緊迫した優勝争いが続いている。
首位ユヴェントスと2位ラツィオの差はわずか2ポイント。欧州カップの出場権やセリエA残留をめぐる争いにもまだ決着はついておらず、少なくとも興味だけは、何とか最後までつながった格好である。
まずは順位表を見ていただこう。
セリエA順位表<第32節終了時点:( )内は過去5試合のポイント数>
68 ユヴェントス(9)
66 ラツィオ(13)
57 ミラン(8)
55 インテル(7)
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55 パルマ(9)
52 ローマ(7)
47 ウディネーゼ(7)
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45 フィオレンティーナ(6)
41 ヴェローナ(11)
39 ボローニャ(5)
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39 レッジーナ(5)
39 ペルージャ(6)
37 レッチェ(5)
35 バーリ(7)
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33 トリノ(6)
26 ヴェネツィア(2)
21 カリアリ(1)
20 ピアチェンツァ(4)
注)1-4位には来シーズンのチャンピオンズ・リーグ、5-7位にはUEFAカップ、8-10位にはインタートト・カップの出場権が与えられる。15位以下の4チームはセリエBに降格。
第30節(4月16日)にラツィオがフィオレンティーナと引き分け、首位ユヴェントスとの差が5ポイントに開いたときには、これで優勝争いはほぼ決着か、という雰囲気になったのだが、先週の第32節でユヴェントスがヴェローナに0-2の完敗(2ゴールを決めたこの日のヒーロ、カンマラータはユヴェントス育ちで、プリマヴェーラ時代はデル・ピエーロと2トップを組んでいた)。ヴェネツィアを3-2で下したラツィオが「射程距離」ともいえる2ポイント差まで迫った。
統計的に見れば、残り2試合の時点でトップに立っていたチームがスクデットを逃したケースは、昨シーズンのラツィオ(33節のフィオレンティーナ戦を引き分け、1ポイント差で追っていたミランに逆転を許した)を含めてもわずか5回しかない。今年のユヴェントスにしても、残り2試合を連勝すれば文句なしに優勝を勝ち取れるわけだから、その意味で圧倒的な優位に立っていることは確か。
とはいうものの、2ポイントというのは、非常に微妙な差ではある。ラツィオが残り2試合を勝つ前提で考えれば、ユヴェントスは1勝1分でもリードを失ってしまう計算になるからだ。しかも、その残り2試合の対戦相手を見ると、厳しいのはむしろユヴェントスの方である。
次節の相手はパルマ。年明けからの不振で優勝戦線からは早々に脱落したものの、終盤戦に来て盛り返し、ここ9試合は負けなしという、ビッグクラブ勢の中では今最も好調のチームである。順位表を見てもわかるとおり、この一戦にはパルマのチャンピオンズ・リーグ出場権(4位以内)もかかっている。ユーヴェにとっては、ホームといえども簡単に勝てる相手ではない。これと比べれば、最終節のペルージャ戦はアウェイとはいえそれほど難しい試合ではないだろう。
一方のラツィオを待っているのはアウェイのボローニャ戦。こちらも決して楽な試合ではないが、追う立場にある以上、ここで勝てなければスクデットを云々する資格はない。これは最終節のレッジーナ戦についてもいえることだ。
もしユーヴェが次のパルマ戦で引き分け、ラツィオがボローニャを下すことになれば、両チームは69ポイントで横並びになる。そのまま双方が最終節を勝てば、待っているのは優勝決定戦(プレーオフ)ということになる。
セリエAが全国1リーグ制となってからの68シーズンを通して、スクデットがプレーオフで争われたケースはわずか1回、63-64シーズンのみである。この時は、マッツォーラ、コルソ、スアレス、ファッケッティなど錚々たるメンバーを擁する「グランデ・インテル」(マッシモ・モラッティ現会長の父、アンジェロが会長だった)を、今もサポーターから神のように崇められている名MF、ジャコモ・ブルガレッリ率いるボローニャが2-0で破り、戦後唯一のスクデットを勝ち取るという結果に終わっている。
63-64シーズンのプレーオフは、中立地ローマで1試合のみ、という形だったが、現在のリーグの規定では、ホーム&アウェイの2回戦で決着をつけることが定められている。しかし、ここで問題になるのが日程。
セリエAは5月14日で終了するのだが、その4日後、18日には、コッパ・イタリアの決勝(インテルvsラツィオ)の2回戦が組まれている。したがって、プレーオフを開催できるのは5月21日以降ということにならざるを得ない。しかし、その翌日には、6月10日に開幕するヨーロッパ選手権に向けてのイタリア代表合宿がスタートする。というわけで、もしプレーオフにもつれ込んだ場合には、5月21日に中立地での1回勝負、という特例措置を取る以外に、現実的な解決策はないだろう。
プレーオフの可能性は、スクデット争いだけでなく、チャンピオンズ・リーグ、UEFAカップ、インタートト・カップの出場権、そしてセリエA残留に関してもまだ残っている。これらがどのような形で行われるかはまだ未定。
いずれにしても、今シーズンは欧州戦線が惨憺たる結果に終わっただけに、セリエAがこうして最後まで盛り上がっていることが、ファンにとっては唯一の救いである。今週日曜日の第33節は、ユーヴェ-パルマ、ボローニャ-ラツィオという、優勝争いに絡んだ試合だけでなく、ミラン-ローマ、レッチェ-トリノといった見逃せない好カードが目白押し。ご注目あれ。
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