前節のミラノ・ダービーは結局2-2の引き分け。インテルはまたも審判の不可解な判定(ミランに与えられたPKはガンツのダイヴィング、インテルはサモラーノへのトリッピングをPKにとってもらえず)で勝機を失いました。先週水曜日のスパルタク・モスクワ戦(チャンピオンズ・リーグ)も1-1。シモーニ監督の「運命の8日間」は、結局2試合とも引き分けに終わりましたが、モラッティ会長はどうやら更迭を思いとどまったようです。
la giornata:今週のプレビュー(セリエA第9節・11/15)
第9節のカード(11/9 -14:30)
バーリ-ミラン(20:30)
エンポリ-カリアリ
インテル-サンプドリア
パルマ-ウディネーゼ
ピアチェンツァ-フィオレンティーナ
ローマ-ユヴェントス
サレルニターナ-ペルージャ
ヴェネツィア-ラツィオ
ヴィチェンツァ-ボローニャ◆ ◆ ◆
とはいうものの、水曜日のコッパ・イタリアでも、C1のカステル・ディ・サングロ(人口5500人の山村のクラブですが、去年までは2年間Bにいました)と1-1で辛うじて引き分けるという情けない試合を見せており、まだ混迷から抜け出したとはとてもいえない状況。さらに、今日(11/14)付のローマのスポーツ紙"Corriere dello sport"の1面には"Lippi e' dell'Inter"(リッピはインテルのもの)という大見出しが踊っています。かねてから噂になっていた通りの話ですが、どうやら確度はかなり高そう。もし今シーズン、ここから盛りかえしてスクデットあるいはチャンピオンズ・リーグを獲ったとしても、シモーニ監督に来期のポストはなさそうです。さて、前節は、ダービーを除けば、アウェイを戦ったユヴェントス、ローマ、パルマがいずれも引き分け、ホームのフィオレンティーナとラツィオがきっちり勝利をものにするという、ある意味で順当な結果となりました。これでフィオレンティーナ(18)がユーヴェ(17)を抜いて再びトップに立っています。この2チームから3ポイント下にローマ、ミランがつけ、1ポイント差でラツィオ、パルマが並ぶという構図。ビッグクラブの中では、インテルだけがこの上位グループから抜け落ち、中位グループのダンゴの中に埋もれています。
その中位グループは、インテルに加え、カリアリ、バーリ、ペルージャ、サンプドリアが11ポイント、ボローニャとウディネーゼが10ポイント、ヴィチェンツァ9、ピアチェンツァ8という大所帯。この中で、実力的に見てまちがいなく健闘しているといえるのがペルージャです。前節のヴィチェンツァ戦でも、今や完全に「司令塔」となった中田が3ゴールすべてに絡む活躍。その前のエンポリ戦(中田は欠場)との内容的な格差を見ても、その存在の大きさがわかります。逆にいえば、中田依存度が高すぎるところが問題ですが、戦力的にみればそれも仕方ありません。
また、ほとんどAの経験がない若い選手をヴェントゥーラ監督がうまくまとめて攻撃的なサッカーを展開しているカリアリも注目株。ムッツィ、カロンの2トップに右ウイングのヴァサーリが絡んだ攻撃は、ローマ、ラツィオとならんでセリエA2位の得点力を誇っています(エムボマは残念ながらまだ療養中)。ウディネーゼ、ボローニャは、潜在的にはこのグループの中で一歩抜きん出ており、順位的にはまだ下の方にいるものの、これから徐々に上がってくるでしょう。
下位グループの中では、ヴェネツィアの状態がかなり深刻。ここまでのところ、勝つどころか点を取るのにも苦しんでいるほど(2得点13失点)で、ノヴェッリーノ監督の首もそろそろ危うくなって来ています。やはり厳しい状況にあるサレルニターナも、ディフェンスが壊滅状態。ボールを持つといいサッカーをするのですが...。
◆ ◆ ◆ 今週のプレビュー:ローマ-ユヴェントス
今週はやはりこのカードでしょう。ゼーマン、リッピの両監督は、この夏のドーピング問題以来、何かとマスコミを通じて舌戦を戦わせてきた間柄。マスコミも「決着はフィールドの上で」などといって盛り上がっています。自らの目指すサッカーにこだわり、というよりも執着し、決して4-3-3のシステムを変えないリジッドなゼーマンと、毎年のように替わる攻撃陣(今年は例外)に合わせてフレキシブルにシステムを変え、しかし確固たるユヴェントス・サッカーを築き上げて来たリッピ。監督としての哲学やスタイルから見てもこの2人は好対象です。妥協を知らない理想主義者と徹底した現実主義者。しかし、自らの信じる道を極限まで追求し尽くすという姿勢に違いはありません。
さてこの試合。両チームとも、今シーズンは大きな補強をほとんど行わず、昨シーズンのチームを「熟成」する方向を選んだだけに、ここまでの歩みはまずまず順調でした。快調なスタートを切って3位につけているホームのローマ。ディ・ビアージョ、ディ・フランチェスコ、トッティに加えトンマージも代表に呼ばれたという事実が、現在のチーム状態を表している、といいたいところですが、週半ばのコッパ・イタリアでBのアタランタにPK負けを喫してしまいました。かつてはコッパ・イタリアといえばローマ、というくらいの強さを見せていましたが(7回優勝)、このところ4年続けて序盤で敗退しています。
問題があるとすれば、この試合でも見られたように、90分間テンションを持続できず不用意なミスから相手につけ入る隙を与えてしまうところ。高い4ラインとアグレッシヴなプレッシングをベースにした高度に組織的な守備システムを取るゼーマン・サッカーでは、個々の選手のタスクがかなりきっちりと決まっているだけに、誰か1人の動きが落ちると、チーム全体の動きがたちどころに悪くなってしまいます。ローマの場合、チームとして「ノッている」時はいいのですが、攻めあぐんだり、耐えなければならない局面になると集中力が切れる瞬間が出てしまうのが難点。メンタリティの問題でしょう。明日のユーヴェ戦はホーム、しかも特に故障者もなくベストメンバーで臨むだけに、どうしても勝ちたいゲームですが...。アウェイのユヴェントスにとっては、何といってもデル・ピエーロの負傷(「2002CLUB」に関連記事を書きました)はチームにとって大きな痛手です。昨日、フランスのリヨンでこの分野では世界的な権威のひとりであるシャンバ教授の診察を受けた結果は、要手術、全治7ヶ月というもの。これで彼の今シーズンは完全に終わりました。彼のポストを埋めるのは、フォンセーカ、アモルーゾの2人ですが、後者は故障を抱えておりベンチ入りも不可能。FWのサブにはプリマヴェーラのリゴーニを入れなければならないほど、攻撃陣の選択肢がない状況です。明日は久々の先発出場となるフォンセーカは、以前から1シーズンを通じてコンスタントにトップコンディションを保ったことがなく、代役としては役不足。アモルーゾも昨年来故障がちで、ピークに持って行くまでにはまだ数カ月かかりそうとあっては、補強に走らざるを得ません。しかし、一時噂に上ったラヴァネッリ(O.マルセイユ)の復帰はどうやらなさそう。今のところ、ドラソー(ラン)、ヴァイレユ(リヨン)などフランスリーグの若手アタッカーの名前が何人か候補として上がっています。
今年のユヴェントスは、結果としては何とかポイントを稼いで来ているものの、内容的には昨シーズンまでと比べると苦しい試合が目立ちます。デシャン、ジダン、デルピエーロという「ワールドカップ組」の出遅れに加えて、DF陣(フェラーラ、ユリアーノ)の故障という要素が絡んでいたとはいえ、昨年までのようなゲームをコントロールし切る隙のないサッカーはまだ見られません。特にアウェイではミスが多く、得失点もホームの5-0に対して7-7。前節のウディネーゼ戦も、後半半ば近くまで2-0とリードしながらロスタイムに入って追い付かれるという、ユーヴェらしくない戦いぶりでした。これで更にデル・ピエーロを欠くとなると、得点力不足が問題になりそうです。
しかし、FWを補強するとしても移籍マーケットが再開する1月まで待たなければならないことから、当面は現状のメンバーでやりくりせざるを得ません。しかも、その前には2試合とも勝たなければ予選落ちという、チャンピオンズ・リーグのローゼンボリ戦、ガラタサライ戦が待っています。ここからの2ヶ月がユーヴェにとっての正念場になりそうです。
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