2002年12月(ultimo rinnovo: 02/12/2002)

「カルチョ解体新書拡大版vol.9 マンチェスター・ユナイテッド」<World Soccer Digest誌・12月19日発売号>
 このところ2回続けてゲーム分析でしたが、今回は通常のチーム戦術分析に戻りました。シモーネ・ボルディーニが、一時ちょっと精彩を欠いていたマンUの問題点を鋭く指摘しています。結論は「ヴェロンはこのチームに合わない」。ちなみに、この号では、ファビオ・カンナヴァーロがかなり率直にイタリア代表の現状について語っている連載コラムにもご注目。
 また、次の新年号では、この「カルチョ解体新書」で分析を担当している2人の監督が、イタリアサッカーの戦術の流れを振り返りつつ今後のトレンドを大胆に予測するという大型対談企画が控えています。さらに2003年には、ちょっと趣向を変えた新企画も準備中ですので、乞うご期待。

「イタリアクラブ探訪vol.12 サンプドリア」<World Soccer Digest誌・12月05日発売号>
 再開した「イタリアクラブ探訪」。当面のところは昇格組をカバーして行こうと思っています――と言いましたが、ちょっと方針を変更して、今回はセリエBのサンプドリアを取り上げました。オーナーが変わって、これまでの低迷が嘘のような躍進を見せていますが、その裏にはひとりの敏腕ディレクターの存在が…という話です。
 余談ですが、開幕から何かとトラブル続きだったペルージャも、夏のインタートト敗退時に親父と喧嘩して臍を曲げ、3ヶ月もカリブ方面でヴァカンスを過ごしていたアレッサンドロ・ガウッチが帰ってきて以来、嘘のように調子が戻ってきました。これもサンプ同様、フロントがしっかりしていないと、絶対にチームは強くならないという見本のような事例です。

「カルチョ解体新書拡大版vol.8 ミラノ・ダービー」&「カルチョ解体新書拡大版vol.9 エル・クラシコ」<World Soccer Digest誌・12月05日発売号>
 前号に続き単独のゲーム分析ですが、今回は奮発してイタリアとスペインの2連発。どっちも、スペクタクルとしてはそんなに凄い試合じゃありませんでしたが、その理由についてもちゃんと指摘されています。分析はミラノダービーがマウリツィオ・ヴィシディ、エル・クラシコがシモーネ・ボルディーニの両ミステル。ともに一読の価値あり。

2002年11月

「巻頭インタビュー:アレッサンドロ・デル・ピエーロ」<NumberPLUS「イタリアを極める」・11月27日発売>
 11月27日に発売された「Number Plus」誌の『イタリアを極める』が、1冊丸ごとイタリア特集(!)なんですが、ここでけっこうまとまった仕事ができました。
 まずは巻頭のこれ。昨年に引き続き、1年ぶりのロング・インタビューです。今回は、故郷サン・ヴェンデンミアーノ(ヴェネト州)まで行って、お母さんとお兄さんにも会ってきましたので、乞うご期待。ステーファノさんはとても落ち着いた穏やかな人で、プロのカルチャトーレにならなかったのが何となくわかる感じがしました。
 ちなみに前回のインタビューは、同じNumber Plus誌の『世界戦記2002その3:欧州激闘の果て』に掲載されています。未読の方はバックナンバーを入手してぜひご一読を。

「インタビュー:ジェンナーロ・ガットゥーゾ」<NumberPLUS「イタリアを極める」・11月27日発売>
 以前からずっと、話を聞いてみたかった選手のひとり。期待にたがわずシンプルでストレートな好漢で、思った以上に話が弾みました。読んで楽しめるいいインタビューになったと思います。

「マルディーニ親子が語る家族とミラノの物語」<NumberPLUS「イタリアを極める」・11月27日発売>
 親子ふたりに話を聞いて彼らの目から見たミランとミラノ、そしてマルディーニ家の歩みを描こうという趣向。いい話がいろいろ聞けたので、ふたりのモノローグという形でまとめました。人間味溢れるチェザローネと都会っ子らしいクールなパオリーノという、絵に描いたような対比。
 以上3本のインタビューのほか、イル・ジョルナーレ紙のクラウディオ・デ・カルリが書いてくれた「モラッティとベルルスコーニ」、「カテナッチョの起源」(ともに必読!)にも関わっています。計5本、個人的には満足のいく仕事ができたと思っていますが、いかがでしょうか?

「カルチョ解体新書拡大版vol.7 ローマ・ダービー」<World Soccer Digest誌・11月21日発売号>
 今回はちょっと趣向を変えて先日のローマ・ダービー(2-2)のゲーム分析です。担当はシモーネ・ボルディーニ。チームではなく、ひとつの試合に的を絞ってじっくり分析するのも興味深いです。
 ゲーム分析といえば、最近の週刊SM誌にパーフェクト・フォーメーションという日本の分析システムを使った日本vsジャマイカの分析記事が載っているのを見ました。しかし、分析の視点や見せ方はまるっきりこのカルチョ解体新書と同じですね。パクっちゃいけません。

「イタリアクラブ探訪vol.11 エンポリ」<World Soccer Digest誌・11月07日発売号>
 再開した「イタリアクラブ探訪」。当面のところは昇格組をカバーして行こうと思っています。まずは、イタリアでは珍しい4-2-3-1システムで躍進を続けるエンポリ。とはいえ、このクラブの真髄はイタリア有数の育成部門にあります。躍進の秘密も、その強みを最大限に生かそうという、明快で筋が通ったクラブとしての理念と長期的な運営プログラムにありました。

「サイド攻撃なんていらない!?」<World Soccer Digest誌・11月07日発売号>
 せっかくのサイド攻撃特集号ということなので、ちょっと天の邪鬼になって、ほとんどの攻撃が中央突破というミランの戦術を例に採りつつ、サイド攻撃のメリットとデメリットをマウリツィオ・ヴィシディに解説してもらいました。別にサイド攻撃の方が偉いというわけではない、ということで。

「カルチョ解体新書拡大版vol.6 アーセナル」<World Soccer Digest誌・11月07日発売号>
 フィジカルで相手を圧倒する野蛮さと、ショートパスを律義につないで理詰めで相手を崩すインテリジェンスが同居した希有なチーム、というのが、今回の結論です。ほんと完成度高いですね。
 ちなみに、WSD誌ではこの号から、カンナヴァーロとネスタのリレーコラムがスタートしました(コーディネート&取材・構成を担当)。月一の掲載で2人が交互に登場する予定。お楽しみに。

2002年10月

「カルチョ解体新書拡大版vol.5 パルマ」<World Soccer Digest誌・10月17日発売号>
 拡大版といいつつ、今回も取り上げるのはイタリアのチーム。パルマは、ディ・ヴァイオを手放してムトゥが入ったことで、一から攻撃の組織を組み建て直さなければならなくなったわけですが、結果的にはこれが大当たりでした。攻守のバランスを高いレベルで保つ上での戦術的キーマン・中田のプレーも、試合を重ねるごとに良くなってきています。これだけ本来の持ち味を生かしているのは、ペルージャでの2年目以来3シーズンぶりじゃないでしょうか。メッザーラじゃなくメッザプンタというのが嬉しい誤算。

「イタリアvsユーゴスラヴィア:機能したレジスタと不機能なチーム」<WSD EXTRA誌・10/28号>
 10月に創刊されたWorld Soccer Digest EXTRA誌の第2号に、10/13にナポリで行われたイタリアvsユーゴの試合評を書いています。このところのアズーリに共通する、後味の悪い試合。ユーゴは、かつてのようなテクニシャンがいなくなって、単調で凡庸なチームになっていましたが、ミハイロヴィッチとミヤトヴィッチがいぶし銀でした。ちなみに、記事のタイトルはぼくがつけたものではありません。

「厳しいスケジュールゆえに精彩を欠く王者ユヴェントス」<WSD EXTRA誌・創刊号>
 上記WSD EXTRA誌の創刊号には、ユーヴェ戦の試合評を書きました。他に、UEFAカップ1回戦のキエーヴォvsレッドスターの記事にも原稿を提供しています。

「イタリアクラブ探訪vol.10 フロレンティア・ヴィオラ」<World Soccer Digest誌・10月03日発売号>
 世の中がワールドカップ・モードに入っていた間、ずっと休眠中だった「イタリアクラブ探訪」ですが、通常モードに戻ったところで再開です。足掛け3年目となったこのシリーズ、今シーズンの皮切りは、フロレンティア・ヴィオラこと新フィオレンティーナ。8月に週刊SD誌で一度取り上げたのですが、その後改めてきっちり取材し、クラブ消滅から再生、セリエC2デビューまでの経緯をまとめました。

「カルチョ解体新書拡大版vol.4 インテル」<World Soccer Digest誌・10月03日発売号>
 分析の対象になったインテルの開幕戦、マウリツィオ・ヴィシディと一緒に観戦したのですが(いつもはビデオ)、前半が終わった時点ですでに「インテルのサッカーは、選手のキャラクターに反している。この顔ぶれならば3-5-2で戦うべき」と看破していました。その後クーペルが、3-5-2を導入したり、昨シーズン同様、中盤センターに守備的なプレーヤーを2人置いた4-4-2を試したりしているのは周知の通りで、戦術的にちょっと混迷してきたような印象があったのですが、結局は一番オーソドックスな4-4-2に落ち着いた模様。不器用で実直な監督なんですね。

2002年9月

「カルチョ解体新書拡大版vol.3 ミラン」<World Soccer Digest誌・9月19日発売号>
 ヨーロッパに網を拡げた「カルチョ解体新書」ですが、もちろんイタリアのチームもどんどん取り上げていきます。今回は、リヴァウド、ネスタという強力な補強を果たして、攻撃的なボールポゼッション・サッカーに大変身を図ろうとしているミラン。分析は今年もモンツァを率いるシモーネ・ボルディーニ。アンチェロッティは覚悟を決めているだけに、あとは最初の躓きで周囲がどう反応するかが、この勇気ある新路線の成否を決めるポイントじゃないかという気がします。

「中田英寿はなぜ苦戦したのか?」<NumberPLUS「欧州サッカーを愉しむ」・9月19日発売>
 ペルージャを離れてからの3シーズン、ローマでもパルマでもなかなかぴったり収まるポジションが見つからないのはなぜか、という疑問が出発点。「ファンタジスタ」とか「司令塔」とかいう定義すらもあいまいな言葉は無視して、中田という選手のプレースタイルと、それがチームの中でどう機能しているのか(あるいはしていないのか)を、イタリアサッカーの文脈と視点から、プロの手を借りて一度きちんと検証してみようと試みました。
 プレー分析は気鋭の理論派監督マウリツィオ・ヴィシディ。レンツォ・ウリヴィエーリ、ジェデオーネ・カルミニャーニという昨シーズンのふたりの監督にもじっくりインタビューしています。たぶんこういう切り口から中田を取り上げた記事は初めてのはず。まだ発売は先ですが、乞うご期待。

「カルチョ解体新書拡大版vol.2 レアル・マドリー」<World Soccer Digest誌・9月05日発売号>
 拡大版となった「カルチョ解体新書」、予告通りレアルの登場です。分析は今回もマウリツィオ・ヴィシディ。ロナウド加入はまだ念頭には置いていませんが…。前回のマンUもそうですが、もともと攻撃的なサッカーをすることを前提に組み立てられたこの手のチームは、ディフェンシヴに戦おうとするとひどくボロが出る、というのがよくわかります。

2002年8月

「市民とともに再出発する新生フィオレンティーナ」<週刊サッカーダイジェスト誌・8月20日発売号>
 破産・消滅の後リセットして再出発を図ることになったフィオレンティーナに関するコラムを、週刊SD誌に書きました。
 1年半に及ぶ対チェッキ・ゴーリの非暴力長期闘争にやっと勝利を収めて、フィオレンティーナを我が手に取り戻したフィレンツェ。しかし喧嘩両成敗とはよくいったもので、その代償はC2(4部リーグ)からのスタートと、決して小さなものではありませんでした。
 セリエA復帰までは最低でも3シーズンが必要。しかも、C2はともかくC1やBは、そう簡単に勝たせてもらえるほど甘い世界ではありません。フィレンツェとフィオレンティーナの戦いの動向は、今後も追っていきたいと思っています。

「セリエA18チーム・新チーム紹介」<「0203ヨーロッパサッカートゥデイ」WSD別冊>
 WSD誌が毎年出している選手名鑑+シーズン展望の別冊。今シーズンもセリエA18チーム分の紹介と寸評を書きました。去年まではイタリアが巻頭でしたが、今年はイングランドと入れ替えの気配。時代は変わる。

「カルチョ解体新書拡大版vol.1・マンチェスター・ユナイテッド」<World Soccer Digest誌・8月15日発売号>
 もうおなじみの「カルチョ解体新書」(3シーズン目に突入)。分析対象をヨーロッパに拡げた拡大版になりました。イタリアだけじゃ持たないという裏事情はさておき、今シーズンは毎号掲載となり、マウリツィオ・ヴィシディ、シモーネ・ボルディーニという、セリエCのふたりの監督が交代で担当します。次回以降、レアル、ミランと続いていく予定。プロの鋭い分析眼が斬るヨーロッパの最新戦術。というわけで、お楽しみに。

2002年7月

「“世界王者ブラジル”の復活と露呈したサッカー界の問題点」Number Web(直)・7月2日掲載>
 「NumberWeb」に、ワールドカップ決勝レポート&大会総括を書きました。スタジアムでは、ピッチの上の緊張感と観客席のそれに、けっこう温度差があったように感じました。スタンドの基調色はあきらかにイエローでしたが、これはもしかして、青のアディダスから黄色のナイキに着替えて出直してきた人たちが多かったせいか。

「カルチョ解体新書vol.25・ワールドカップベスト4を徹底解剖」<World Soccer Digest誌・7月04日発売号>
 今回は久しぶりに、連載開始時に最初の2回を担当してもらった理論派、マウリツィオ・ヴィシディ(昨シーズンはC1-Aのトレヴィーゾ)が復活。準々決勝4試合を中心に、勝ち残った4チームを分析しています。日本に帰ってきていろんな雑誌を見ましたが、この種のきちんとした戦術分析は他ではほとんど目にしませんでした。個々の選手にまつわる主観的でおセンチなストーリーものが多くて辟易。

【オマケ・個人的な応援】フットボール・デイズ<双葉社・定価1900円税別・4月発売>
 ミラノ在住の写真家カイ・サワベ氏が「ワールドサッカーマガジン」誌で続けていた同名の連載が書籍になりました。とてもいい本なのでご紹介します。といっても出たのは4月なので、もうとっくにご存知かもしれませんが…。本職の写真の素晴らしさもさることながら、サッカーという“生活文化”を独自の視線で切り取る取材力に感服。今シーズンからは「カルチョ2002」に場所を移して継続とか。


2002年1-6月分 / 2001年8-12月分 /
2001年1-7月分 / 2000年12月以前の分

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