

グループA:ドイツ、ルーマニア、ポルトガル、イングランド
グループB:ベルギー、スウェーデン、イタリア、トルコ
グループC:スペイン、ノルウェー、ユーゴスラヴィア、スロヴェニア
グループD:オランダ、チェコ、フランス、デンマーク
一応、第一シードでは最も弱いベルギーが来たことで、ほっと一息、というところなのでしょうが、この組み合わせ、実はぱっと見ほど楽ではないような気がします。ベルギーには先日、スウェーデンにも昨年、親善試合とはいえ黒星を喫していますし(高さとスタミナを持ち味とする「北のチーム」は、最近のイタリアが最も苦手とするタイプ)、トルコにしても、クラブレベル(欧州カップ)ではこのところ常に苦戦させられている相手です。世論的には楽勝ムードになるでしょうから、変に気を緩めて足下をすくわれたりしなければいいのですが…という感じです。むしろ、ドイツやオランダあたりと最初からぶつかってちょっと気を引き締める方が良かったのではないか、という気がしないでもありません。スウェーデンとは来年2月に親善試合がありますので、まずはお手並み拝見(アッズーリの)というところでしょうか。まあ、それにしても、他人事ながらグループAとDは厳しそうですね。
GK:ブッフォン(パルマ)、トルド(フィオレンティーナ)
DF:カンナヴァーロ、ヴァノーリ(パルマ)、フェラーラ、ペッソット(ユヴェントス)、マルディーニ(ミラン)、ネスタ(ラツィオ)、パヌッチ(インテル)
MF:アルベルティーニ、アンブロジーニ(ミラン)、D.バッジョ(パルマ)、コンテ、ザンブロッタ(ユヴェントス)、ディ・ビアージョ、モリエーロ(インテル)、ディ・フランチェスコ(ローマ)
FW:デル・ピエーロ、F.インザーギ(ユヴェントス)、トッティ、モンテッラ(ローマ)、ヴィエーリ(インテル)
このうち、トッティは恥骨結合炎(3週間の安静)のため召集を辞退。アルベルティーニも昨日(7日)の練習中に軽い故障を起こし、ベラルーシ行きのメンバーからは外れています。
今回のメンバーの中で注目されるのは、久々の代表復帰となる選手が多いこと。デル・ピエーロは1年ぶり、モリエーロはW杯以来、フェラーラに至っては大怪我で長期欠場する直前の昨年1月以来ということになります。前回のデンマーク戦には呼ばれなかった選手も6人(ディ・ビアージョ、ペッソット、ザンブロッタ、モンテッラ、マルディーニ)おり、復帰組は合わせて8人。一方、前回呼ばれたメンバーの中では、フゼール、ジャンニケッダ(共に出場停止)、ネグロ(故障中)のほか、キエーザ、ビノット、パンカロの6人が外れました。セリエA並みの「ターンオーバー」と言えないこともありません。
問題の中盤は、これまでのレギュラーからフゼール、アルベルティーニが欠けた上に、ディノ・バッジョは不調、ディ・フランチェスコに至ってはローマでレギュラーの座を失っており、全面的な再編成が必至。ゾフ監督もこれには苦悩しているようですが、おそらく、右からモリエーロ、ディ・ビアージョ、コンテ、ザンブロッタというフォーメーションになるものと見られています。右半身はインテル、左半身はユーヴェというわけですね。とりあえず、第一報まで。
ITALIA (4-4-2 a zona):
Buffon - Panucci, Cannavaro, Nesta, Pancaro - Fuser, Albertini, D. Baggio (1'st Giannichedda), Di Francesco (25'st Conte) - Vieri (32'st Totti), Inzaghi
DANMARK (4-4-2 a zona):
Schmichael - Colding, Hog, Henriksen, Heintze - Helveg (7'st Goldbaek), Nielsen, Tofting (7'st Wleghorst), Jorgensen - Sand, Tomasson (40'st Schjomberg)
◆得点:10'pt Fuser (I), 35'pt Vieri (I), 39'pt Jorgensen (D; rig), 11'st Wleghorst (D), 19'st Tomasson (D)
気温は高いながらも雨の中で始まった試合は、序盤からデンマークのペース。この試合で勝たない限り欧州選手権出場の可能性が完全に絶たれてしまうだけに、スタートから全開で攻め込みます(これがほぼ最後まで続いたのは驚異的)。ボールを奪取した瞬間から複数の選手が動き始め、2-3本パスがつながった時には、7-8人がイタリア陣内に入っているのはもちろん、前線に3-4人が詰めているという超積極的なサッカー。イタリア守備陣は中盤から後手後手に回って人もボールも追いきれず、どの局面でも数的優位に立てないまま振り回されます。押し込まれているので、ボールを取り返しても出しどころがなくつぶされるばかり。アルベルティーニから前線で孤立する2トップに縦1本のフィードを送るのが唯一の攻め手、という感じでした。
しかし、先制したのは押されていたイタリアの方。前半10分、インザーギ(90分間を通じて、ボールを受けようとするときにはオフサイドか相手マーカーにつぶされるかのどちらかだった)が前を向いてプレーできた数少ないボールのひとつから得たエリア直前左45°のFKを、フゼールが見事に右ポスト際に直接叩き込みます。ニア側に壁を作らせておきながらファーポストをカバーしていなかったシュマイケルの明らかなミスに助けられたとはいえ、貴重なリードには違いありません。
とはいえ、その後もゲームの流れには変化なし。デンマークは、左ウイングに入ったヨルゲンセン(ウディネーゼ)が手に負えないほどの出来で、パヌッチとの1対1をほとんど制して(フゼールを加えた1対2からもしばしば抜け出していた)何度もチャンスを作り出します。ネスタ、カンナヴァーロが2トップにかかりきりになっているところに2列目からどんどん走り込まれ、中盤がそれを追いきれないのですから、ブッフォンが忙しかったのも仕方ないでしょう。前半、枠に行ったシュート数はデンマークの10本に対してイタリアは2本。この数字がすべてを表しています。
ところがイタリアは、2本目のシュートも見事にゴールに結びつけるしたたかさを見せます。前半35分。やや戻ってボールを受けたヴィエーリが、右から寄ってきたフゼールに一旦預けるとそのまま縦にダッシュ。フゼールは一瞬タメた後、中央エリア直前で2人のDFを背負って振り向いたヴィエーリにパスを通します。それをトラップすると見せかけてそのままヒールで流した先には、一瞬のタイミングでDFを振り切ったインザーギがしっかりと走り込んでいました。そこに飛び出したシュマイケルは一瞬早くボールにさわったもののファンブル。このこぼれ球を左足でゴールに叩き込んだのは彼、ヴィエーリでした(代表18試合目にして早くも10得点)。
これで2-0。押し込みながらも点を取れないデンマークと、数少ないチャンスをものにしたイタリア。心理的には後者が優位に立っていることはいうまでもありません。これでこのまま前半が終わっていれば、試合の展開も変わったのでしょうが、そうはなりませんでした。39分、カンナヴァーロ(最近クラブでも無用なファウルが多すぎる)がポストになって縦パスを受けようとする相手FWを後ろから押し、PKを与えてしまったのです。ヨルゲンセンが慎重に決めて2-1。一瞬気を落としたかに見えたデンマークが、これで再び勢いづいてしまいました。
後半、ゾフ監督は、ただボールと相手を追いかけ回すだけだったディノ・バッジョを外し、ジャンニケッダを投入して中盤のフィルターを再構築しようと試みます。しかしその効果はほとんど表れませんでした。意欲を取り戻したデンマークがほぼ一方的に攻め込み、イタリアは防戦一方。しかも、徐々にガソリンが切れてきて、ほとんどボールを支配できなくなります。後半11分の2点目、19分の3点目は入るべくして入ったというしかありません。イタリアは後半25分にディ・フランチェスコに替えてコンテ、32分には足を引きずり出した(筋肉痛)ヴィエーリに替えてトッティを投入し、反撃を試みましたが、ゴールに迫ることができたのは、相手がレクランドの退場(35' st)で10人になり、守りに入ってからの2度だけでした。
2-0となった時には、これでほぼ大丈夫、と見えた試合も、終わってみれば2-3。ホームでの敗戦は、サッキ監督時代の欧州選手権予選クロアチア戦('95年)以来です。代表監督11試合目で初めての敗戦を喫したゾフ監督にとっては、リードを守りきれなかったことはもちろん、それ以上にチームがまったく機能しなかったことがショックだったに違いありません。「簡単な試合でないことは最初からわかっていたが…。2-0で試合を終わらせなければならなかったのだが、後半は好き勝手にやられてしまった。相手の方が強かったというしかない。非常に重い敗戦であることは間違いない」というのが、例によってポーカーフェイス、抑揚のない淡々とした口調で語られたゾフ監督のコメント。
しかし、こうして振り返ってみると、内容的には今年3月のアウェイ戦(この時は運良く2-1で勝利)とほとんど変わらない試合だったことがよくわかります。要するに、中盤を支配されて押し込まれ、前線は孤立、ボールを奪っても押し上げが効かず縦1本以外に攻め手がない、ということ。しかし、この状況を打開するのは簡単ではないような気がします。FW、 DFの顔ぶれと比べて、イタリア代表のMF陣は深刻な人材不足だからです。両サイドはともかくとして問題は中央。特に攻撃の局面になるとそれがよくわかります。イタリアのセントラルMFのほとんどはディフェンス専業の汗かきタイプ。攻撃の起点になれる組み立てのセンスを持っているのはアルベルティーニとディ・ビアージョくらいで、積極的に攻撃に絡んでいくタイプとなるとほとんど見あたりません。セリエAを見ても、そういった選手はジダン、ヴェロン、ルイ・コスタにはじまり、ダーヴィッツ、スタンコヴィッチ、中田とすべて外国人。若手を見てもその手の選手は育ってきていません(アンブロジーニ、ジャンニケッダ、タッキナルディ、ガットゥーゾ、バローニオ、C.ザネッティ、C.アモローゾなど、有望株はいずれもディフェンシヴMF)。こうなると、比較的人材が豊富なアウトサイドMFをより積極的に生かして攻撃を組み立てていくサッカーを確立する以外に、世界屈指の攻撃陣を生かす道はなさそうです。ゾフ監督は欧州選手権に向けて、今やセリエA上位のほとんどのチームが採用している3バックを採用することをほのめかしていますが…。
いずれにしても、デンマークに敗れた今となっては、まずベラルーシからポイントをもぎ取ることが先決。実力的に見れば、たとえアウェイとはいえ負けるはずがない相手ですから、出場権はまず確保できるでしょうが、このままでは本大会で優勝を狙うのは簡単ではないかもしれません。
GK:ブッフォン(パルマ)、トルド(フィオレンティーナ)
DF:カンナヴァーロ、ヴァノーリ(パルマ)、ネグロ、ネスタ、パンカロ(ラツィオ)、パヌッチ(インテル)
MF:アルベルティーニ、アンブロジーニ(ミラン)、ディノ・バッジョ、フゼール(パルマ)、コンテ(ユヴェントス)、ディ・フランチェスコ(ローマ)、ジャンニケッダ(ウディネーゼ)、ビノット(ボローニャ)
FW:キエーザ(フィオレンティーナ)、フィリッポ・インザーギ(ユヴェントス)、トッティ(ローマ)、ヴィエーリ(インテル)
※太字はスタメン候補
初代表は、パルマの左MF/SB・ヴァノーリと、ボローニャの右ウイング・ビノットの2人。いずれも、昨シーズンにブレイクして今季も好調を維持している期待の若手です。今回は左SBのレギュラー・マルディーニが故障で召集できないため、その穴をだれが埋めるかが焦点になりましたが、ゾフ監督はファヴァッリ(ラツィオ)よりもより攻撃的な(そして若い)ヴァノーリを選びました。ただし、スタメンには彼ではなくパンカロが入ることになるようです。一方、フゼールのサブの右アウトサイドMFは、ビノットがザンブロッタ(ユーヴェ)、モリエーロ(インテル)を出し抜いた格好。このところの活躍からすれば当然かもしれません。
主な落選組は、上に挙げた以外に、ペルッツィ(GK)、ユリアーノ、サーラ(DF)、ディ・ビアージョ、バキーニ、セレーナ、ディ・リーヴィオ(MF)、モンテッラ、デル・ピエーロ、ロベルト・バッジョ(FW)といったところ。復帰が期待されたデル・ピエーロも、まだ時期尚早ということで、今回は召集が見送られています。
以上、とりあえずの第一報でした。